無人販売所の餃子が美味しい、というお話。
今回は 餃子の雪松 のご紹介。全国にその名を轟かす餃子の有名店なのだが、お恥ずかしい話、僕はこれまで聞いたことも見たことも、もちろん食べたこともなかった。泉佐野にも店舗ができ、ようやくご対面というわけだ。
営業時間:24時間営業
営業日:毎日
場所:大阪府泉佐野市湊4丁目5−30「鶏笑」があった場所だ。
電話:050-5490-9116 受付9:00-18:00
ウェブサイト:https://www.yukimatsugyoza.com/sp/
ではさっそく。
◽️餃子の雪松って?
群馬県は水上の温泉街から始まったという。創業が昭和15年と歴史ある中華屋で、現在3代続いている。味は創業から全く変わっておらず、厳格に受け継いでいるという。
元祖のこの店舗は「雪松中華」という名で、群馬で中華料理を提供し続けている。この「雪松中華」の餃子を継承して、販売店舗を全国に展開し運営しているのは「株式会社YES」である。
この「株式会社YES」なくして、餃子の雪松の名が全国に拡がっていくことはなかったんじゃないかと思う。自社工場を作り上げ、全国の店舗にバンバン配送していることを考えると、店舗もまだまだ増えていきそうだ。
◽️店舗のシステムが斬新!
外観はいたってフツーなのだが、無人販売のシステムをとっている。
時代が進み、昨今ではコンビニやキヨスクなど無人販売の店舗が数を増やしている。そこには、支払い方法(防犯)や利便性にIT技術が惜しみなく注ぎ込まれている。
そんな世の中の動きを尻目に、独自で展開している販売システムが実にオモシロイと注目を浴びている。あまりに原始的で肩透かしを食らいそうになる。
購入の仕方が単純明快でシンプル極まりない。2つの手順を踏むだけで、そこにはITらしき要素はまるで皆無だ。どちらかと言うと、田舎の農家の方がやっている無人直売所に近い。
冷凍庫から欲しい数の餃子を取り出して(36個で¥1,000円がミニマム数量だ)、
料金箱に現金を投入する。たったこれだけだ。スキだらけのこんなシステムだと、逆に悪いことをしたくなくなる不思議さがある。
部屋の隅から眺めている防犯カメラが、場違いのようにも見えてくる。そんなの付けなくても大丈夫だから、と。
餃子の他に、特製タレ¥200と保冷バック¥100が置かれているので、小銭の準備も必要だ。
もうここまでくると、全てを緻密に計算しつくして、利益をはじき出してるんじゃないかと思えてくる。店舗に人を置いた場合の人件費、日本の犯罪率から盗難される確率、餃子単価¥1,000の設定、自社工場からの配送コスト、等々のあらゆる条件をこれでもかというぐらい綿密に。
あるいは、単純に、ITを駆使するための資本を投下するよりも、逆に性善説に基づいた原始的な無人店舗を展開していく方が、話題性も高まり集客が見込めると踏んでいるのかもしれない。
どんな儲け方をしているのかは知るよしもないが、色んな想像が膨らんでしまう。そんなオモシロイ無人店舗の動向を、今後も見守っていきたい。
◽️お味の方は?
店舗のシステムに注目が集まるが、味の方もあなどれない。冷凍食品なみに簡単につくれ、それでいて名店の伝統ある味わいを堪能できる。丁寧なマニュアルがついているので、心強いし間違えようがない。
餃子の命とも言われる皮は、焼くとパリっと感とモチっと感のバランスが絶妙となり、次から次へと手が伸びる。餡は、野菜中心でありながら程よい肉量で適度なジューシーさがたまらなく、多めのニンニクが餃子全体の風味を支えている。
このお味でこのお値段なら、コスパ良しと胸を張って言える。
いかがでしょうか。販売の仕方に注目が集まりがちだが、味の方もしっかりしていて、また食べたいと思える。当たり前のモラルを携えて、是非一度お試しアレ!