泉南イオンには「KALDI カルディ」がある。入店時に気持ちばかりのコーヒーを飲ませてくれるのが心地よい。
心地よい理由は、コーヒーが無料で飲めるからではない。
KALDI は「コーヒーを売っているのだが、渡り鳥を守っている」のだ。熱帯の森林で有機農法でコーヒーが作られ、それをプレミアム価格で買い取っている。それが森林伐採を防ぎ、渡り鳥の休む場所をつくっているという。素晴らしい、だから心地よくなるのだ。
コーヒーは、あるいはひとつの手段なのかもしれない。目的は地球環境、みたいな。
話がそれたが、そんなKALDIにタイ米を買いに行ったとき(タイ米はこの辺じゃ、KALDIぐらいしか手に入らない。あとはネットか)、視界にこれが入ってきた。
Mi goreng Pedas だ。
インドネシアの「インドフード」という食品会社(日本でいうAJINOMOTOみたいなどでかい企業だ)が製造販売している即席麺だ。
mi は麺。goreng は炒める。pedas は辛い。要するに、辛い焼きそばだ。
暑い日に辛いモノを、と2年ぶりぐらいに手にとってみた。インドネシアでは1袋20〜30円くらいで売られているが、KALDIでは90円。まあそれでも安いのだが。
裏面にはご丁寧に日本語の説明が貼り付けられている。
◽️開封
乾燥麺に、味付け用の調味料が入っている。例によって、油系の袋はベタついている。日本じゃ考えられないが、これがインドネシアスタンダード。気にならないのか、技術が乏しいのか、これがイケてるのか、そのへんはよくわからない。
当時(インドネシアに住んでいたころ)、そのことについて尋ねてみると、現地の方々は「tidak apa apa!!(大丈夫!)」と口を揃え、笑顔を振りまく。なんて平和な国なんだ。
◽️麺をゆでる
これだけ見ると、日本の乾麺と見分けがつかない。ここでは、インドネシアっぽさはない。
これをザルに受け、調味料を振りかけ、完成へと向かう。
◽️調味料を混ぜ完成
何か具材を入れれば良かったな、と少し後悔がよぎるが、気にしない。tidak apa apa だ。
このミーゴレンは「pedas(辛い)」の表記があるので辛いはずなのだが、そこまでの辛さはない。インドネシアにいたらこれにサンバルソースをぶっかけているだろう。
ただ、辛味系の調味料はさすが本場、といった独特の雰囲気がある。日本人でも美味しく食べられる。
これくらいの量なら、ペロリと一瞬で食べ終わってしまうのだが、見た目と匂いと風味でインドネシアが確実によみがえってくる。あぁぁ懐かしいなぁぁ、と。
KALDIのコーヒー風に言ってみると「買ったのは、インドフードの激辛焼きそばではなく、インドネシアの懐かしさだった」のだ。懐かしさを90円で買えるなら安いもんだし、具材だって必要ないのだ。
また買いに行こう。